国民年金基金制度
国民年金の全加入期間となる40年(480月)分の保険料を納付した場合、原則の65歳から受け取れる老齢基礎年金は年額79万5000円(令和5年4月分から)です。月額では6万6250円で、老後の生活費を賄うには少ないと言わざるを得ませんが、国民年金第1号被保険者(自営業者など)だけが加入できる公的年金の上乗せ制度が国民年金基金です。 国民年金基金に加入できるのは、原則、日本に居住する20歳以上60歳未満の国民年金第1号被保険者ですが、60歳以上65歳未満や海外在住の国民年金の任意加入者も加入できます。 加入は口数制で、1口目は2種類の終身年金(A型・B型)、2口目以降は終身年金と5種類の確定年金(I型~V型)から選びます。 A型 終身年金(保証期間15年) 65歳 B型 終身年金(保証期間無し) 65歳 I型 15年確定年金 65歳 II型 10年確定年金 65歳 III型 15年確定年金 60歳 IV型 10年確定年金 60歳 V型 5年確定年金 60歳 ※筆者作成 自営業者が会社員となって厚生年金に加入し、国民年金第2号被保険者となると、国民年金基金の加入資格を喪失します。国民年金基金は自分の意思で脱退することはできませんが、加入資格を失うと脱退することになります。加入資格の喪失に該当するのは以下のような場合です。
・国民年金第1号被保険者でなくなった 加入資格の喪失となっても、支払った掛け金については将来、年金として受け取ることになります。冒頭のケースでは「今すぐ現金でもらえれば助かる」とのことですが、残念ながら掛け金の返還はありません。支給開始年齢から年金を受け取るために、必ず脱退の手続きをしておきましょう。 加入資格を喪失したときは「資格喪失届」を国民年金基金に提出することになりますが、資格喪失の事由を明らかにする書類の添付も必要です。資格喪失届の用紙は国民年金基金連合会のホームページからダウンロードできます。 国民年金基金は、自営業などの国民年金第1号被保険者が公的年金に上乗せできる年金制度ですが、加入資格を失って脱退した場合でも、一定の年齢(60歳~65歳)までは年金を受け取ることができないことは覚えておいてください。 国民年金基金連合会 掛金月額表 |